時には見果てぬ夢をふたりで見て　現実を知り
時には悲しみや喜びをともに分かち合った
逢えない寂しさを勇気に変えて　強くなっていった

そしてふたりで何度も訪れた白銀の世界　
僕たちはいつも主人公　ゲレンデを独り占めにし
幾つものドラマを育んだ
君はふたりの距離が近くなるナイターがお気に入り
リフトの上では僕の肩に頭を乗せ　もたれかかっていた
そのシルエットがカクテル光線に浮かび上がる

君は覚えているだろうか　横浜の黄昏の桟橋で
ふたり寄り添って見つめた夕日を　
そして真夏の夜空を焦がすように咲く大輪の花火
その夜　永遠の愛を確かめ合った場所
幾つもの夜を一緒に過ごし　
いつの間にか僕たちは恋人の境界線を越えた・・・
思えばときめきと心が揺れたかけがえのない日々
それを繰り返して　僕たちは今　ここにいる　

あれからどれくらい月日が経ったのだろう
アルバムの中の君は今　僕の妻となり
ともに誓い　同じ道を歩んでいる　
そしてその傍らで微笑むふたりの愛の結晶たち

1月5日　あれからこの日はふたりにとって
忘れもしない記念日となった

1990年1月5日　それは君と初めて出会った日
僕は今の仕事を始めて2年　君はまだ学生だった
友達を介して見知らぬ者同士が集ったスキーツアー
とある民宿で酒を飲み一夜を明かした
その宴席で　偶然君は僕の隣りに座った　
そのつぶらな瞳とあどけない笑顔に僕は一目惚れ
だけどゲレンデではまるで別人　白いウｴアに身を包み
颯爽とシュプールを描く　僕も負けじと君の後を追いかける
気づけば二人の軌跡が重なり合い　僕は運命を感じとった

別れ際　勇気を振り絞って渡した電話番号
まだ携帯やメールなどなかった時代　
スキーから戻り　一人暮らしの僕に
最初に電話をくれたのは君の方だった
すぐに交際がスタート　周りが羨むほどの仲良しカップル
思えばふたりでいろんな所へ行ったね
海　映画　紅葉狩り　ドライブ　
僕たちだけしか知らない夜景の綺麗な秘密の場所
そして行きつけの喫茶店で他愛のない会話
一歩ずつ　しかし確実に愛を深めていった